Eternal Silence


しかし
救急指定病院であるために、
重度救急患者は
搬送されてくる。


その救急患者を
専門に見るチームを
ERと呼んでいる。


そのERは
独自のシステムで対応していて、
ERが救命医で
あることには変わりはないが
……全ての医師が、
三人ないし四人のチーム編成に
わけられて、
専門医と救命医を兼任している。

よって、
この病院では
『専門以外』だからと言う甘えは
一切院長の方針で許されていない。


そしてオンコールは
『自宅待機緊急時の呼び出し優先組』と
言うことになる。

ようするに
当直兼ERに三チーム、
オンコールに一チーム。

そしてそれ以外の日に
外来やら入院患者を
専門の分野で診察している。


大抵、外来が週三~四日
・ERとオンコールで一~三日・
そして予定の休日が
一~二になっている。


それが
この病院のシフトシステムだ。

そのERチームの一人として
オレに入るようにと言うことだった。



「ですが……
 オレまだ……ERは……。
 今でも精一杯で」

「嵩継ならやれるだろう。
 嵩継は私のチームに入って貰おう。
私のチームは、
 麻酔科の村井君と脳外科の柳井君。
 そして私と嵩継の四人になる。
 まぁ、明日がER・明後日がオンコール。
 その後、順調に行けば
 休日だ。

 詳しいシフトは医局か院長室のシフト表で
 確認しておきなさい。
 
 村井君と柳井君への挨拶も忘れんようにな」

「はい。
 医局で作業がありますので」

オレは院長に一礼をすると、
早々に医局へと顔を出す。

「安田医師、どうかしたの?
 何だか嬉しそうね?」

ナースセンターを通る際に、
鷹宮総合病院の母と称される
水谷看護主任に声をかけられる。

水谷看護師は
当病院の次の看護部長候補。

長年、
院長の片腕として働いてきて、
今年、定年退職される
現看護部長の後をついで
就任することが決まっている。

< 23 / 170 >

この作品をシェア

pagetop