Eternal Silence








俺の親父は……
俺が物心ついた時から
外に女がいる
ふざけた野郎だった。

おふくろは……
親父の暴力が嫌で、

親父が
何時帰ってこようが……
何処にいようが
何も言わず……

ただ、無言で
親父に必要とされた時だけ
尽くすようなそんな人で……。


藤宮は私立で
小中高一貫教育校。

良家のご子息様って奴を
ターゲットに
運営されている学校だから、
『不倫』なんて
噂はご法度中のご法度。



そんな噂が
何処かの親の口から
学校内に広まったのが
初等部の高学年。

藤宮でダチだと思ってた
同級生は
一人ずつ消えていった。



『海斗君、ごめんね。

 僕、お母様が
 君とは
 付き合っちゃいけないって……』



親父のせいで何回、
この言葉を
聞かされたかわかんねぇ。


結局、
俺は……
学年内で孤立。


そして中等部に
なって間もなく、

親父は……家に離婚届と
俺の藤宮学院残り
六年間の学費と
俺の養育費らしい
小切手を
テーブルに残して
家を出て行った。


両親が離婚しても
俺の中は何も変わらない。


俺には……ガキの頃から、
おふくろしか居なかった。

そう思えば……
別にどってことなかった。
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