Eternal Silence



焼肉囲んで……
なんて気軽な風景を連想してたら、
場違いそのもの。


ダイニングのテーブルに並べられたのは、
フォークにナイフにスプーン。


半ば、ため息と共に
諦めて……
神経使いながらの夕飯。



マジ、
オレはこの先どうなる?



ディナーの後、
受験勉強の為にと席を外した
千尋くんと勇人くんの後を追うように
オレも自分の部屋へと向かった。


三部屋も必要ないって……。


持ち込んだ荷物は、
ベッドのあった最初の部屋に
全て詰め込んで、
クローゼットに片づけた。



足を投げ出して、
バタリと寝ころんだ
フカフカの布団は……
真新しい香りがして……。


ゆっくりと重たくなる体を
その温もりの中に委ねていく。




ふいにノックの音で目が覚めて、
布団から起き上がると、
そこにはリズ夫人が
手にバスタオルなどの洗面道具を抱えて
姿を見せた。
 



「お休みのところ、ごめんなさいね。
 うっかりしていて、
 渡すの忘れてしまっていたわ。

 嵩継君のバスタオル。

 後は、ボディーソープに
 シャンプー・リンス。
 トリートメント。

 お髭ケアも忘れないで。

 後はこちらが、男性用の肌水。
 嵩継君のメーカーがわからなかったら、
 息子たちが使ってるのと同じものだけど、
 良かったら使ってちょうだい。

 後は、こちらは私と主人から。

 明日からの研修で使ってちょうだい。

 毎朝、この籠に洗濯物をいれて、
 ダイニングに持って来てね」



リズ夫人はそう言うと、
オレの手に、籠の中いっぱいの生活用品と
プレゼント包装されたされたものを
手渡すと、静かに扉を閉めて、
パタパタと階段を
上がっていく音が聞こえた。
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