Eternal Silence

16.懐かしい時間-海斗-







……夢……
見てんのか……。




微かに……
嵩継が
呼んでる声が
聴こえた気が
すんだけどな……。






何処までも続く
何もない空間は
果てしなくて……
気が
遠くなりそうなほど……
長くて……。






何処まで……
歩き続けりゃいんだよ……。






ふらふらーっと
一歩、また一歩と
足を踏み出して……
真っ白な空間を
歩き続ける。




途中……
ふと
……浮かび上がる……
扉。






俺は……
そのドアノブを手にして……
一気に開く。






眩しい光が……
俺の視力を
一瞬……奪い……
俺の前には……
太陽の光が
降り注ぐ。







乾いた風。

グランドを
蹴る……
懐かしい時代の記憶……。



嵩継の髪は……
太陽の光に透けて
キラキラ
しやがって
俺は……
球を奪っては……
アイツにアシストして……。



目を閉じたら……
今も……
全国大会の
歓声が……
……甦る……。



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