Eternal Silence








「嵩継さん、嵩継さん」



……誰だよ。



オレを起すのは……。

人が寝てるってのに。



「嵩継さんっ!!」


うっせーよ。
寝かせろって。



「嵩継さん、
 こんなところで
 何してるんですか?」


突然、オレの頬に
衝撃が走る。



慌てて重ったるい瞼を
開けると、勇人の姿を
視界が捕らえる。



「……良かった……。

 嵩継さん、
 どれだけ僕たち
 心配したと
 思ってるんですかっ」




そんなこと知るかよっ。



「しかも……どうして、
 こんなところで
 雨にさらされてるんです?
 
 それに……
 何でこんなに
 傷だらけなんですか?」


目の前で必死に
オレに尋問をかける勇人。



「喧嘩だよ。喧嘩」

「喧嘩?」

「そっ。

 喧嘩に負けたんだよ。
 まっ、勝とうと
 思えば幾らでも
 かてる喧嘩だけどな・・・
 
 誰かに
 ボコボコに
 のされたかったんだよ」



そう言った答えたオレに、
アイツは真っ直ぐな瞳で
何も言わず見つめ続ける。
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