Eternal Silence



……こんなところは
  コイツ、院長にそっくりだな……。



「嵩継さん立てますか?
 どこかで雨宿りしないと・・・」


勇人に支えられるようにして
無様にも立ち上がると、
愛車を駐車してある場所へと戻る。


シルエイティーの
ドアを開けて、
車内に転がり込むと
運転席のシートに沈み込んだ。


勇人も助手席に転がり込む。



「嵩継さん、
 脱いでください」


そう言うと
勇人は背中のリュックから
いろんなものを並べ始める。



「Rizママから
 預かってきた
 嵩継さんの着替え。

 後は差し入れのお弁当。

 それと車の中でも
 使える携帯の充電器。

 後・・・消毒薬」


「おいおいっ。
 そのリュックは
 四次元ポケットかよ」

「ふふっ。
 それより嵩継さん、
 早く着替えちゃってください」


車内で何度か天井に
頭を打ちつけながら
着替えを済ませると、
勇人は俺の手元から
水を含んで重たくなった
洋服を取り上げて
ナイロンの袋の中に
押し込んでリュックに片付ける。


濡れたシートの上には
渇いたバスタオルを敷いて
俺を座らせると、
次に消毒薬の蓋を
開けて差し出す。


しぶしぶ受け取って
ミラーを見ながら
自分の消毒を
一通り済ませる。


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