もう一度、君と…。

キスマーク


「よーし、席つけ」

先生の言葉の声で皆一斉に席に着く。


私はあの日からよく…笑う様になった。

多和とはもう喋ってないし、一緒に帰ってたりもしていない。

もう…自然消滅に近い。


「はーい。今日は転校生が来てるんだ」

だからか…。

私は心の中で呟いた。

私の席は窓側の一番後ろの席。

その隣は誰もいない筈なのに…、机が用意してある。

「入っていいぞ」

先生の声で入ってきた男の子。

…なんで今になって転校なんだろう?

しかも…隣だし。

「…恋羽、顔」

「え…?」

振り返った百合は苦笑いを零す。

百合は目の前の席。

多和は新しく机が置いてある右隣。

あたしの隣の隣。

「真泉 晟弥です。よろしくお願いします」

二カッと笑う彼。

すると、私と百合以外の女子は悲鳴に近いような声をあげる。

…確かにイケメンだけど、それが何?

なんて私は思う。

顔は整ってるし、背だって高い。

黒髪の短髪。

少し詰まんなそうに彼を見ると、バチッと目が合ってしまった。

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