もう一度、君と…。




目を開けると…驚いた。

お墓に文字が浮かびあがっていた。

《スタート》

《コレは僕のチームメートの女の子にしか分からないかな?》

中学2年生とは思えない程の綺麗な字。

きっと…私の事だよね?

《君に伝えたい事がある》

《チーム名をみつけて》

「…?」

……《羽翼をみつけて》ってこと?

私はお墓の裏に回って探す。

「…………あった」

《羽翼》

たった一言だけ。

私がその文字に触れると…、《羽翼》と言う文字が消えた。

すると、違う文字が浮かび上がってくる。

《その下にでっかい石があんだろ?どかしてみて》

私は大きな石を退かす。

お墓に引き出しみたいのがついていた。

「っ…」

《恋羽限定》

たった一言。

その文字に涙がでそうになった。

私はその引き出しに手をかけても…ビクともしない。

「…?…ど、して?」

私は脱力して、その場に座り込む。

「…………恋羽?」

ヒョコッと顔を覗かせたのは…、慶ちゃんだった。

「…ーかない」

「え?」

「…開かなかった」

涙目の私を見て、苦笑いを漏らした。

「…当たり前。だって、裕貴から鍵預かってるから」

私の目の前に来て、鍵をプラーン…と揺らす。

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