もう一度、君と…。
「…意地悪」
私は慶ちゃんを睨んだ。
「ちげぇーよ。裕貴が頼んで来たんだよ。『裕貴らしくらないじゃん?』って言ったら、『僕だって、少しは苛めてみたいんだよ』って笑ってたぞ?」
「…もう、私のこんな姿みて楽しい?」
私はふくれっ面で空を見上げた。
今日の空は雲一つない快晴。
「…多分な」
ハハッと笑う慶ちゃん。
私は慶ちゃんから鍵を受け取って、鍵穴に差し込む。
ゆっくり回すと、カチャッと小気味の良い音を立てた。
「俺や羽翼は何も知らない。でも…恋羽を大事にしているのはわかった」
きっと私は今も、【神手の守護神】の手によって護られているんだね。
私はそっと引き出しを開けた。
「…手紙?…っ!?」
私は驚きで慶ちゃんを見つめた。
慶ちゃんはコクリと頷いた。
その中には、手紙と平べったい箱がはいっていた。
手紙の宛先には…。
『To my darling princess.』
裏には、
『It loves earnestly 裕貴より』
宛先、『僕の愛しいお姫様へ』
送り主、『愛してやまない裕貴より』
これだけで、心が満たされて行く。
「っ…裕貴君っ」
勘違いしちゃいそうだよ。
「…恋羽」
慶ちゃんは…私を優しく抱き締めてくれた。
「え…?け…ちゃ」
「恋羽は誰を想ってるの?俺だって…ずっと」
慶ちゃんの顔が近づいてくる。
唇に触れる手前、
「慶介兄ちゃん、何やってんの?」