もう一度、君と…。
美繋くらいの知らない小学生の男の子。
「…ん?未来(みらい)じゃないか」
慶ちゃんはその男の子に近寄って、頭をガシガシ撫でる。
…誰かに似ている。
私は黙って見つめる。
すると…未来と呼ばれた男の子が私を見て……笑ったんだ。
「…裕貴君。…の弟さん?」
一瞬、あの頃に戻ったと思った瞬間。
風がサッと私の視界をさらった。
そして髪の間から見えたのは、慶ちゃんと同じくらいに成長した裕貴君の姿だった。
私は髪を抑えて見ると、もうそこには誰もいなくて、小さな裕貴君に似た男の子と慶ちゃんだけだった。