もう一度、君と…。
ファーストキス
手紙を読み終えても…、涙は沢山溢れてくる。
「…ひっく」
子供みたいに泣きじゃくる。
裕貴君の優しさは、私の心に溶けていく…。
「…恋羽」
慶ちゃんの声が聴こえて振り向くと、…裕貴君によく似た未来君が居た。
思い出すのは裕貴君の事ばかり。
私は思わず、見つめてしまう。
「…兄ちゃんが…惚れたのが分かる気がする///」
「えっ?」
チュッとリップ音を響かせて、私と未来君の唇が重なった。
すぐに離された唇。
でも…放心状態の私。
「…ふぁ、ファーストキス…」
私は口元に触れる。
「…違うよ」
「えっ?」
私は未来君を見つめる。
「…恋羽ちゃんのファーストキスは…、兄ちゃんだよ」
「「えっ!?」」
これには、慶ちゃんもビックリ。
ごめん…。
された本人も分かってないんだよ?
「…兄ちゃんは、嘘が上手くないよ」
ニコッと笑って、座り込んでいる私の頭を撫でた。
仕草も…雰囲気も…全て似てる。
「…で、でもっ」
「あ!…」
私が慶ちゃんを見ると、口元に手を当てて「分かった」と言うかの様にうなだれる。
「…あれだな」
「…?」