もう一度、君と…。
駆け引き
私は受験してから一週間が経った。
学校にも花見離さず、ブレスレットとネックレスを着けている。
裕貴君は、許可を得て…とか言ってたけど、許可なんてとっていない!笑
…それに、やけに多和は一人の女の子と仲が良い。
切れ長の目がやけに印象的な、スタイルの良い女の子。
私は見てない振りをしながらも、チラチラと見てしまう。
「…恋羽」
「…ん?」
私は裕貴君の手紙のお陰で、昔の私へと戻り始めていた。
「…そのネックレスとブレスレット…可愛い。最近女子力つけたね!」
「…ほ、ホント?」
百合にはもう打ち明けた。
手紙を見せたら、『裕貴君は良い人だね』なんて涙ながらに言ってくれた。
「うん!…多和君もいい加減よねっ」
頬を膨らませて、多和を睨む百合。
ふと多和を見ると、やけに仲が良い女の子と目が合ってしまった。
私は軽く会釈。
彼女も少し笑って返してくれた。
「…アイツだよ。富村礼子」
ブスッとした晟弥が呟いた。
「可愛いね」
私は知らぬ間に、富村礼子さんに釘付けだった。
「…どうだか」
全てを理解しているかの様に、鼻で笑った。