もう一度、君と…。

別れ


「うわぁーん、恋羽と離れちゃう!」

私の親友は涙まで流して、離れようとしない。

「だ、大丈夫だって!め、メールだってあるし…ね?」

私は噛みながらも、一生懸命に言葉を並べる。

「う…グズ」

涙目で訴えてくる。

ホントに可愛い。

「…泣いちゃ駄目。実波君がいるでしょ?」

私は百合の後ろにいる実波君を見た。

すると、困ったように笑ったんだ。

「ハハッ。俺といる時でも百合は、真夏のことばかりなんだ。…正直妬いちゃうよ」

「うん!だって恋羽は、想汰より…好きだもん」

「えっ!?」

本人の前で言っちゃ駄目でしょ!

私が実波君を見つめていると、実波君は嬉しそうに笑ったんだ。

「…良いんだ。百合は俺と付き合う前から言ってたから。『私の1番は恋羽だから。優先順位は恋羽が先』なんて言われたけど、俺はそれでも良いって思ったんだ」

実波君は、可笑しいだろ?…と言うように笑った。

「…ーーーだから」

百合はそっぽ向きながら、実波君に抱きついた。

「え?聴こえ」

「…今は…同じだから。恋羽と同じ位想汰が好き。優先順位…上げてあげる」

「え…///」

真っ赤な実波君。

百合もつられて赤くなる。

2人はいずれ、結婚だね。

「2人共、幸せに…」

小声で呟いて、鞄を持って教室をでた。

グイッと腕を引かれて、振り向くと…晟弥がいた。

「…俺も行く」

強い眼差しに負けて、2人で行くことにした。


「…辞めなくていいのか?」

晟弥が心配そうに言う。

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