もう一度、君と…。
「…うん。私、多和を振り向かせるなんて…無理だったんだよ」
私は少し笑って、晟弥を見た。
「…そんなことない。アイツが可笑しいだけだから。だって、この俺が好きになったんだぞ?」
「っ?///」
私が隣にいる晟弥を見ると、顔を赤く染めていた。
「…い、いたぞ。俺はココにいるから」
そう言って、私の背中を押してくれた。
晟弥が押してくれた方向には、多和と富村さんがいた。
私は意を決意して、息を吸った。
「……多和」
「恋羽?」
キョロキョロと私を探している多和。
富村さんは、多和よりも早くに私を見つけていた。
「…多和、そのままでいいから聴いて欲しいの」
「…恋羽?」
今だに私を探している多和の背中に…、抱きついた。
これなら、顔をみられない。
「…私ね?…多和と居て幸せだったよ?…でも辛いの。多和が他の女の子とキスしてて。だから、多和と私は無理なの」
私は更に抱き締めた。
「…」
無言で後ろを振り向かずに、前を向いている。
…振り向いてくれないんだね。
私の頬に涙が伝う…。
「…多和。好きだったよ。ありがとう………別れよっか」
「えっ?」
多和は要約振り向いた。
私が多和に涙を見せたのは、2回目だね。
そっとその背中から離れる。
富村さんはただただ、唖然として見ている。