もう一度、君と…。

「…あれ?…よるとこは?」

お母さんもお父さん同様に、覗かせる。

「………今から、大好きな人に逢って来る」

きっと、私の顔は真っ赤なんだろうなぁ?

「「えっ!?」」

お父さんとお母さんは驚いている。

「…夕方には戻るから。…いつもありがとう」

私は美繋から離れて、3人に微笑んだ。


私は財布とかを持って、途中で花屋に寄った。

「あ、真夏です。頼んだものなんですが…」

私が店員に話しかけると、ニッコリ笑った。

「…ハルジオンとクチナシだったよね?」

私は恥ずかしくなって、頷く。

お金はこの前払ったから、今回は貰うだけ。

「………花言葉で選んだの?」

「…?」

どうして、そう思ったんだろう?

「クチナシは外国では定番の贈り物だけど、ハルジオンなんてなかなか買う人はいないんだよ」

店員は付け足して、

「その辺の野原にも咲いているからね」

といたずらっぽく笑った。

「…私は、叶わぬ恋をしちゃいまして…」

気恥ずかしくなって、店員の顔が見れない。

「…いいと思うよ。片思いでもさ?」

その人は「ね?」と首を傾げて、花束を差し出した。

「…そうですね!」

私も笑って、花束を受け取った。


ちょっと前に来た【精の森】。

私の憩いの場所。

周りは誰もいない。

ココは新しいからか、お墓が少ない。

でもいいもんね!

独り言言いまくるから!

…違うか。

裕貴君、返事くれるもんね?

【精の森】の入り口に一歩入ると…。

裕貴君が出迎えてくれた気がした。

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