もう一度、君と…。
慶ちゃんと私と…?那智君?が倒れていると頭上から言葉が降ってきた。
「確かによぉ。…てか、恋羽って彼氏いたのかよ…、俺ショック!」
どこかショックを受けたような声。
「…もしかして、慶って付き合ってたの?」
「…そっちじゃないだろ?恋羽だろ、恋羽」
少し天然気味な質問に、ツッコミを入れている。
「…慶ちゃん?」
私が慶ちゃんを見ると、溜息をついて、私と後ろの誰かを一緒に起こしてくれた。
私は慶ちゃんのあぐらの上に向かい合わせで乗っている。
いつの間にか後ろから重みは消えていて…。
「…恋羽、久し振り」
大人びた声が聴こえた。
私が顔を上げると、4人は私を見るなり微笑んだ。
「…憶えてる?」
慶ちゃんはギュッと私を抱き締めながら言った。
「…うん。羽翼がそろった」
私の目からまた涙が溢れ出た。
5つの影の正体は、小学校頃の見慣れた姿とは違った、羽翼のメンバーだった。
大人びた声は、類君だった。
眼鏡をかけ始めたのか、黒縁だから真面目な印象。
短髪過ぎず、長過ぎない男の子らしい髪型。
ショックを受けていた声は、灯真君だ。
野球部だから、少し短髪気味で、人懐っこそうな顔は相変わらず…。
突っ込まれていたのは、大地君。
小学校の頃よりも、色素がだいぶ抜けたのか、茶色に近い色をしている。
背も随分と大きくなった。