もう一度、君と…。
私が5人に声をかけると、すぐに5人の視線が集まった。


「…また、ハンドボール…………やらないか?」


私は驚いて、言ってのけた本人を見る。

真面目な顔で私を見てくる………慶ちゃん。

「み、皆はどうするの?」

だって、野球だって…バレーとか、サッカーがあるでしょ?

「「「俺たちは、賛成」」」

5人して、微笑んだ。

「でもだよ?私…女子だし。小学生と違って男女一緒はないよ?」

私は重たい口を開いて…付け足した。

「それに…大事な裕貴君・守護神が足りない」

中学からは男女別だし、高校はまさにだ。

男子に混じっても、すぐにダメになる。

しかもか、裕貴君と言う『神手の守護神』がいない。

その中でどうやってやるの?

「…練習試合くらいは、大丈夫だよ。俺らは別に大会に出たいとは…思ってないし」

大地君の言葉に4人は頷いた。

「…この6人で…やろう?…裕貴がいなくても、俺らは出来るよ」

灯真君に続いて口を開いたのは…類君だった。

「…俺達5人は、裕貴に言われたんだ。『もしも、恋羽に5人で逢えたなら…俺は運命だと思う。その時は6人だけの【羽翼】をつくってくれ』って…言ったんだよ」

類君は思い出したのか少し笑っているように見えた。

「『僕はワガママだからもう一人入れて欲しくはないけどな』とも言ってたな」

「確かに!裕貴笑いながら言ってたよね!」

大地君に続いて那智君も笑う。

「…だから、これは裕貴の為でもあり、俺達5人の……願望だよ」

慶ちゃんはニッと笑う。

私は心の中で思っていた。

中学でもやりたいな、って…。

「私はバスケのマネージャー。でも、裕貴君と5人が望むんなら、私もそれを望みたい」

私はハッキリとした口調で答える。

「恋羽ちゃん、ありがとう!!」

那智君が抱きついてきた。

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