もう一度、君と…。
百合明学園につくまで、恋羽は大地の手を離さなかった。
…まだ不安なんだと思う。
まだ1ヶ月も経ってないチームで勝ちに行こうなんて思ってはいない。
それに…恋羽はこの年になって、まだ一度も俺ら以外の男と手を合わせたことはない。
だから、この試合で恋羽の心の持ち用が決まってしまう気がして…。
俺は不安に押しつぶされそうになった。
「…もう大丈夫。ありがとう。慶ちゃん…困らせてごめんね」
恋羽の表情は軽くなっている。
でも、俺の不安は消えない。
もし…恋羽が怪我したら?
もし…恋羽が戻らぬ人になってしまったら?
もし…恋羽が男に変なの事されたら?
俺は…どうすればいい?
恋羽を失うなんて嫌だ。
…きっと恋羽以上に、俺は不安だよ。
好きだから、危ないことはさせたくない。
体育館に入ると…16にんくらいの人がいて。
あれ?
やけに少人数だな、と思った。