もう一度、君と…。

「…あ、お越しいただいて光栄です。…羽翼のみなさん」

少し大人な雰囲気を感じる。

「あ、女の子いたんだ!ごめんね!気付かんかったわ」

ヘラッと笑う背の大きな男。

「…あ、この人、キャプテンです。関わらなくていーですから」

はぁ…とため息を着くと、呆れ顔で男を見る。

恋羽は少し目を逸らして…、俺の後ろに隠れようとする。

「ビビらせちゃった?ごめん。俺は唯野 晴那斗(ゆいの はなと)!よろしくな」

恋羽に手を伸ばす唯野さん。

「…あ、あのっ。真夏です」

恋羽も自然と手を握る。

「真夏ちゃんかぁ!よろしく♬」

「…え、あっと…真夏恋羽です」

戸惑いながら否定する恋羽に、唯野さんはお構いなし。

「副キャプテンの百合月 愛檎(ゆりつき あたご)です。よろしくお願いします」

俺らに頭を下げてくる大人な雰囲気を醸し出してる男。

「…責任者の…間宮慶介です。まだ1ヶ月も経ってないチームですので…お手柔らかに」

ニコッと笑って、頭を下げる。

こうして始まりの笛がなるのはもう少し後のこと。

百合月さんに案内してもらって控え室にはいる。

「…恋羽ちゃんだっけ?どーする?控え室変える?」

あんまり感情を表に出さない人なのか、起伏はあまりない。

「…恋羽は大丈夫です。ココでいいよな?」

「うん!慶ちゃんと一緒がいい」

恋羽は別の控え室に案内されそうになるのをやんわりと断る。

俺たちはスクイズや、タオルなどを持って、控え室を後にした。


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