もう一度、君と…。
…でも、恋羽が祭り一緒にに行きたいって言ったから?
俺は少し浮かれているかもしれない。
…なんて酷いやつなんだろう。
愛宕先輩より優れている立ち位置。
それを利用して、俺は恋羽を手に入れようとしてる。
「わかった。慶介…君には少し嫉妬するよ」
刹那げに眉をはの字にする。
「え?」
嫉妬?
「恋羽に好かれてて…。俺さ…初めてなんだ。…恋したことなかった」
「っ…」
何を言い出すかと思ったら…!
まさか告白する気じゃっ!
俺の心臓はドクンドクンと脈打つ。
「そーだったんですか?私は…いい恋しましたよ」
ニコッと笑い、思い出したのか少し辛そう。
そんな恋羽をギュッと引き寄せた。
「…思い出す必要ないから。恋羽が辛くなるなら…楽な方選んで」
いつの間にか俺は真剣な目で恋羽を見ていた。
驚き顔の恋羽。
「…おーい!慶!帰ろーぜ」
向こうから灯真が声をかける。
「…今日はありがとうございました。夏休み、またココへ来ます」
「…あの、ありがとうございました!」
恋羽も俺と一緒に頭を下げる。
そして、俺は逃げるように恋羽の手を引いて…更衣室に逃げ込んだ。
「慶ちゃん?」
俺は何にビビっているんだ…。