もう一度、君と…。

「…あ、そう言えば慶ちゃん!」

クルリと俺の方に顔を向けた恋羽。

それが余りにも近過ぎて…!

唇が当ってしまった。

…形的にキスしてしまったことになる。

「「っ…!?」」

恋羽も驚きで、ドキマギしている。

「…あ、あのっ、ごめん」

顔を真っ赤にして、目を泳がせる。

俺はそんな姿に笑ってしまった。

いや、驚いたし…。

心臓だってドキドキしてたよ?

でも…、恋羽があんなに顔を真っ赤にして焦っているなんてことはなかなか見れない。

だから、思わず

「…やっぱり恋羽って可愛いな」

ニッと笑うと、恋羽は更に顔を赤くする。

通草は前を向いていて…悲劇をみていなかったのか、詰まらなそうに前を向き直った。

ウルウルとした目。

頬は顔を真っ赤に染めて、俺を上目遣いで見上げてくる。

…俺、我慢できるかな?笑

なんか、不安になってきた。

「…慶ちゃん」

恋羽が俺の袖を握る。

「…な、なに?」

俺のどもった声。

いつもだったら、ココで笑われて終わり。

でも…今日は違ったんだ。


「…キスしたい」


え…?

今、なんて…?

「…恋羽?」

恋羽は俺の驚き顔を見て、泣きそうになる。

「…なんか、分かんないけど…。慶ちゃんとキスしたくなった」

涙目で訴えられる。

…嗚呼。

俺、やっぱり恋羽が欲しい。

その欲求は消えることは消してない。

俺は恋羽の後頭部に手を回して…授業中にも関わらず…。

恋羽と唇を重ねた。

スッと閉じられた恋羽の目。

…まつ毛長いなぁ。

それに毛穴なくね!?

なんて思いながら…少しの間、キスをした。

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