もう一度、君と…。

「那智!あたし由良おばちゃんにいつも着せて貰ってたから着れない…」

恥ずかしそうに俺を見る恋羽。

…もしかしたら、揺早が生きていたら…俺みたいだったのかな?

性格…変わり者だったよね?


…恋羽みたいに、
可愛かったかな?


「…………那智?」

「え?」

俺はハッとして恋羽を見た。

心配そうに俺を見つめる恋羽。

「…ーーてるの?」

「…えっ?今なんっ」

恋羽はギュッと俺を引き寄せた。

えっ!?

「…泣かないでっ!笑顔見せて?由良おばちゃんからは聴いてた…」

「…聴いてたの?」

「…うん。揺早ちゃんだよね?私で埋めてくれても構わないよ。一週間くらいなら…揺早ちゃんとして生活してもいい」

揺早として?

てか俺、泣いてたの?

ボタボタと落ちる涙。

恋羽の肩に顔を埋める。

でも…そしたら俺は、恋羽を好きになれないんだよ。

もう…どうしたら良かったんだ。

< 193 / 291 >

この作品をシェア

pagetop