もう一度、君と…。
俺は涙を拭いて、恋羽に浴衣を着せる。
あれ?
恋羽ってこんなにも…華奢だったんだ。
この体でよく…ハンドボールやってたね。
キュッと帯を結ぶと…細すぎて、あれ?
帯が長い?
「…あ、ちょっと太ってた?」
「いや…逆だよ?細すぎて…帯が長かった」
「…え、そーなの?昨日お寿司屋さんいって20皿食べちゃったんだよね♬」
そーなの!?
その割りに…また痩せてる。
俺は丁度よくなるように帯の始める位置をずらす。
青の生地に、綺麗な蝶をあしらった大人な浴衣。
恋羽は高校に入って大人っぽくなったから、余計に似合うのかもしれない。
「…綺麗だね。化粧しようかなぁ?」
恋羽はニコニコしながら、嬉しそうに髪の毛を弄る。
「…那智の笑顔、私は好きだよ」
恋羽はそう言って、俺に微笑んだ。