もう一度、君と…。
「…え、慶ちゃんが私を?」
恋羽は驚きでオロオロしてる。
「…いま答えなくてもいいから。考えてほしい」
俺は恋羽を抱きしめた。
「…あの、慶ちゃん」
「ん?」
「…好きだよ」
「………え?」
花火の音が重なって聞こえなかった。
境内からみえた花火は…俺たち二人を照らし出す。
「…好きだよ、慶ちゃんのこと」
だから、恋羽の顔がはっきりとみえた。
真っ赤な顔で俺を見ていて…。
俺はもう止まらなかった。
「…好きだよ」
俺は恋羽に顔を近づける。
触れるだけの優しいキスをひとつ。
恋羽はギュッと俺に抱きつく。
本当に俺は…。
「…慶ちゃん。私慶ちゃんの彼女になりたい」
「…大歓迎っす」
俺たちは境内に続く階段に腰を下ろして、綺麗に打ち上がる花火をみつめた。
そして、今日。
晴れて俺は、恋羽の彼氏になった。