もう一度、君と…。
「…恋羽、慶はどーしたよ」
俺は不思議に思ってることを聞く。
慶は、夏祭りに恋羽の彼氏になった。
その前からずっと一緒にいる。
慶は恋羽を一人で出向かせたりはしない。
例え、それが羽翼だとしても…だ。
「慶ちゃん?慶ちゃんはねー、裕貴君のお墓参りだよ」
「恋羽は?行かなかったの?」
「ううん。行ったの。…久々に二人で話したかったから、慶ちゃんがサッカーしてる時に行った」
「おいおい…」
俺は苦笑いを漏らす。
すると、恋羽も苦笑い。
「怒らせちゃったよ、慶ちゃん」
慶を怒らせた?
首を傾げると、恋羽は笑った。
「立ち話も何だし…お店入ろうよ。今日は灯真君が勇気を出した日なんだから」
「そーだな。恋羽のお陰だよ。ありがとな」
恋羽の笑顔に吊られて、俺も笑った。