もう一度、君と…。
その時から…人と関わるのは好きじゃなかった。
…でもさ?
嫌われたくもなかった。
矛盾だって?
この世に矛盾してないことなんて…ないよ。
あ、あったか?
裕貴は全く矛盾な事は言わなかったなぁ?
「…灯真」
「っ…?」
俺が驚いて振り返ったら…そこには。
死んだ頃からなぜか成長した、私服姿の……裕貴がいた。
「…灯真」
俺よりも高い身長。
それに…笑顔は変わりないのか?
でも…前よりも、大人っぽい?
…って当たり前か!笑
裕貴はもっと…無邪気な笑顔をしてた気がする、のは気のせい?
こんがらがって…分からない。
「…裕貴、なんでっ」
「…灯真君?………………裕貴君?」
恋羽は俺の袖を引っ張った。
でも…裕貴のことを見て。
「…恋羽?」
裕貴が優しく微笑んだ。
恋羽はサッと走り出した。
でもすぐに人混みの中に…。
俺も恋羽のあとを追う。
恋羽は途中で…見失ってしまったらしい。
唖然とその場に固まっている。
「…恋羽?」
「ーーだった」
恋羽は小さな声で言うものだから、最後の言葉は聴こえなかった。
「…恋羽、ごめん…聴こえ」
「…裕貴、君だった」
え?
裕貴は…もう居ないんだぞ?
「…恋羽、それはないんじゃ…」