もう一度、君と…。
何だか嬉しそうな恋羽。
俺の一回り大きな傘に、体を滑り込ませた。
「…多和には私が分からなかったみたい」
少し安心そうな顔で言う。
「…良かったの?」
話してこなくて…。
「うん」
恋羽が頷く。
歩き出した俺たちは、寮に歩き出した。
「…なんか安心した。変わってないや」
幸せそうに語る恋羽。
「…そっか」
「…あ、ごめん!慶ちゃんにこんな話をする予定じゃなかったの!ねぇ、…一人にしないで」
…やめて。
「…一緒に帰ろう」
大丈夫だよ。
好きなのには違いないんだ。
幸せだよ。
思い込みなんてそんなんじゃない。
例えさ、一方通行だとしても…片想い。
想ってるんだ。
「…好きだよ」
微笑むと、恋羽は暖かく微笑返した。
俺と恋羽は寄り添いながら、帰った。