もう一度、君と…。
「…高見桜笑と繋田は、…県外ですよね?…生徒に、県外を勧めるんですか?」

「…?」

どうしたんだろう?

多和は自分のことのように、心配している。

「仕方ないんだ。俺は全て均等に勧めることしか出来ない。…だから、よく考えてほしいんだ」

先生に渡された資料は‘‘県外”という言葉の重りと共に…、私にのしかかった。

ただただ、黙って廊下を歩く。
< 23 / 291 >

この作品をシェア

pagetop