もう一度、君と…。

雪の日の再開。


…恋羽と逢わなくなって、あともう少しで1年になる。

君は、今…笑っているだろうか?


俺はボンヤリと…鉛色の空を見上げた。

2月上旬。

今日は、午後から『雪』が降ると言う。

あの子は温かくしているだろうか…。


「…恋羽」

俺は愛おしくて最愛の君の名を呟く。

ベンチに座って、目を閉じると蘇ってくる.あの日の記憶。


あの日は快晴だった。

恋羽がどこの学校に行くか、俺はずっと聴けなかった。

怖かったんだ。

恋羽が離れて行くんじゃないかって。

俺の弱さで、恋羽は沢山苦しんだ。

辛そうに歪めた顔。

初めて知った。

恋羽だって、普通の女の子だ、って。




< 231 / 291 >

この作品をシェア

pagetop