もう一度、君と…。
雪の日の再開。
…恋羽と逢わなくなって、あともう少しで1年になる。
君は、今…笑っているだろうか?
俺はボンヤリと…鉛色の空を見上げた。
2月上旬。
今日は、午後から『雪』が降ると言う。
あの子は温かくしているだろうか…。
「…恋羽」
俺は愛おしくて最愛の君の名を呟く。
ベンチに座って、目を閉じると蘇ってくる.あの日の記憶。
あの日は快晴だった。
恋羽がどこの学校に行くか、俺はずっと聴けなかった。
怖かったんだ。
恋羽が離れて行くんじゃないかって。
俺の弱さで、恋羽は沢山苦しんだ。
辛そうに歪めた顔。
初めて知った。
恋羽だって、普通の女の子だ、って。