もう一度、君と…。
全国大会の準決勝。
俺たち川湖は、勢いに乗って勝ち進んでいた。
ウォーミングアップを始めて既に10分。
「…羽翼だ」
晟弥が呟いた。
相手チームは、最近有名な…羽翼だった。
向こうは楽しそうに雑談中。
仲の良さそうなチームだった。
しかも人数は7人ピッタリ。
どの位置が誰なのかをチェックする。
あ、【神手の守護神】。
俺はガン見してしまう。
すると、ソイツと目があった。
ソイツは微笑んで、口パクで言ったんだ……、
《負けないよ》
…と。
メンバー表も貰って確認。
…女の子が一人。
『真夏恋羽』
その時初めて恋羽と言う存在を知った。
ウォーミングアップを向こうも始めた。
位置的に、真夏恋羽がセンターバック。
真夏恋羽を見て嬉しそうにしているポスト。
やんちゃっぽいのが、レフトバック。
頭良さげなのが、ライトバック。
女の子っぽいのが、ライトウィング。
髪の色素の薄い天然気味なのが、レフトウィング。
…そして、守護神キーパー。
…このチーム。
イケメンに美人だし…凄い。
男子はモテそうなツラしてるし、センターバックは女神そのもの。
…驚いた。
このチーム……強い。