もう一度、君と…。
白色のタキシードを着た那智は、目をキラキラさせている。
「こないだのよりすっごいね」
…人も多いし。
「こないだって、那智は出んだっけか?」
「そーだよ!灯真が2番で、俺が3番」
那智は得意気に笑う。
灰色のタキシードを着ている慶介はぐるりと俺に体を向ける。
「…どーかした?」
苦笑いの俺。
「…多和は出たの?多和なら1番取れそうだけど…みたことないけど」
不思議そうな顔をして聞かれる。
あ、そっか。
慶介は繋田祭のミスターコンテスト優勝者だった。
「…俺は人前にでるのそこまで好きじゃないんだ。それに1番なんて取れないよ」
…うん。
1番は慶介で、2番が灯真…そして3番が那智って所だろうな。
俺は最下位だろう。
生徒が決めるんだから…。
俺なんて女の子からの人気は皆無。
無愛想な顔で廊下を歩いているんだから。笑
「へー?俺もあんまり人前に好んではでないかな」
「はぁ?慶は勝手に前に出て行くじゃん?」
ニシシと歯をみせて、口元に手を持って行く那智。
「そんなことねーよ」
「あるある!多和聴いてよ!こないださーーーーだったんだよ?可笑しくて笑っちゃったよ」
那智は慶介の恥ずかしい話ばかりを持ち出す。
ホントに恥ずかしいものばかりだった。
完璧そうにみえるのになぁ?笑
だって…女の人に、「社会の窓空いてますよ」とか言われたらしい!笑
「なんだよ!那智だってーーだったじゃねーか!」
おぉーと!
こりゃ…言っちゃいけないぞ?
ピーが入りそうなことを、鼻息を荒くして言う慶介。
「那智ってそんなキャラしてたんだな」
俺も混ざって、白い目を那智に向ける。
「はぁ?そんなこと言った覚えないしっ!それに多和だって合コンの時に胸見てたくせにっ!」
おいおいっ!