もう一度、君と…。
【No.4は、雪道多和君です。今年3年生で、2年間は完全に拒否されてました。サッカー部キャプテンで、『異国の地の冷血王子』としての異名を勝ち取りました。】
……確かにウザい。
『異国の地の冷血王子』なんて初めて聴いたんだけど…。
俺も舞台に上がる。
「…多和は『異国の地の冷血王子』だったんだな」
吹き出した慶介。
周りは唖然としている。
思っていたようなイケメンじゃなかったんだろう。
うん、きっとそう。
「…うるさいな。慶介なんて『ベタ惚れ王子様』のくせに」
俺も負けじと慶介を弄る!笑
俺はせせら笑い、慶介の背中をバシバシ叩く。
またもや唖然とした会場。
「ちょ、多和と慶やめろよっ」
止めにきた那智。
俺と慶介は、2人で笑いあった。
「「『オモチャの国の王子様』がなんだって?」」
見事に重なった言葉。
「…」
那智はジロッと俺と慶介を睨みつけた。
…が、しかしっ!
可愛すぎる!
「「キャーーーー♬」」
会場が沸き立つ。
すげぇー!笑
那智はと言うと不機嫌。
「…うるさいから、黙ってよ」
椅子に座って足を組み、会場中を睨みつける。
那智が言うのは逆効果。
「「那智くーん♡可愛い」」
はい。
全然受け止められていません。
【続いて、ミスコンテストの参加者です。参加者は薔薇の迷路から出てくるはずです。】
なんてことをしたんだよ!
完璧凝ってるな…。
那智は今だに踏ん反り返っている。
そうとうイライラしたんだと思う。
俺たちは何分か、まって一人目の女子が出てきた。
紺のドレスをきて、まさに美人と言う言葉が似合う。
【No.1、及川 薫(おいかわ かおる)さん。今年は3年生で、書道部の部長を勤めていました。去年のミスコンテストの優勝者でもあります。】
優勝者だったんだ。
へー。
俺はジーッと及川を見つめていると、目があった。
すると、頬を染めて…俺に近づいてくる。
「やっと出てくれたんだね、雪道君」
「……はい?」
やっとでてくれた?
急になに?
話したこと一度もないけど…!
那智を見ると、あーあ可哀想っと笑う。
「あたし雪道君がミスターでてくれるの待ってたんだ!ずっとね、好きだったの」
「……え、あ?ごめん」
出てくれるの待ってた。
はい。
ずっと好きでした。
…なんで急に飛んだ!?
何故に告白!
断るけどさ…!
【及川薫がココでまさかの告白!でもしかし雪道多和の反応はNOだ!】
実況されてて、変な気分だな。
「…諦めないから!だから1位になって彼氏にしてやるんだから!」
「…うん。頑張って」
真顔の棒読みで応援する。
応援する気全くなし。
那智と慶介はクスクスと笑う。