もう一度、君と…。

逆にそれが百合木を本気にさせてしまったらしい。

【おぉ!最後の一人No.3…真夏恋羽さんです。高美桜笑高校3年生で、三年間高美桜笑祭のミスコンテストで優勝。そしてハンドボール羽翼のたった一人の女子として『女神のセンター』『女神の守護神』と言うあだ名に恥じないプレーをしています。…可愛いですね。】

ん?

司会の奴、自分の感想入れて来やがった!笑

薔薇の迷路から出てきた恋羽。

恋羽は真っ赤な膝上の肩出しフリフリドレス。

恋羽はオロオロとしながら、顔だけちょこりと出している。

…キュンとする胸。

そしてヒョコヒョコと出てきた恋羽に、観客も見惚れている。

「あ、あの…よろしくお願いします」

皆の視線に恥ずかしくなってか、頭を下げた恋羽。

「「キャーーー♡」」

女子たちも叫び声をあげて、男子も男子も雄叫びをあげる。

「「おぉーーー!」」

恋羽は椅子に座ってソワソワしている。

【では、お揃いになった所で…始めて参ります。早速…投票に参ります。】

…………え?

嘘だろ?

…投票?



驚きをかくせない俺。

那智は平然としていて、当たり前のような態度。

「これが繋田祭特有のやり方だよ」

那智が呟いた。

恋羽はもう優勝する気がないのか、呑気に
「お水貰ってもいいですか?」
と司会の人に笑顔で話しかける。

そして、繋田高校の生徒が全員集まって投票して行く。

見てない奴は、顔だけで決める。

…まぁ、そしたら去年の女子優勝があの女でも間違いないわ…呆

俺は眠くて眠くてしょうがない。

一体何分かけてんだよ。

呆れて眠くて…こりゃ寝るわな。笑



「多和…おーい。起きてよ」



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