もう一度、君と…。
「…そうだね。どうせ、私になんて興味ないんでしょ?…分かってるよ」

嫌味のように呟いていた。

「…は?どう言う意味?」

チラリと見ると、訳が分からないと言うように、私を見つめている。

「…多和には分かる?…もしかしたら、全て失うかもしれない辛さ。分かってくれるの?…相談したら…考えてくれるの?」

自分の中にあった黒い塊を吐き出す。

多和に突き刺さったはずなのに、自分にも跳ね返って来る気がした。
< 35 / 291 >

この作品をシェア

pagetop