もう一度、君と…。




あたしと信太は、高校に入ってすぐに付き合った。

隣の席で、丁度バスケの話で盛り上がっていた所で言われたの。

「…でね!?シュートが「ねぇ」

信太は苦笑いしながら、あたしを見た。

「…バスケ好きなのわかるけど…、俺の事も知ってみない?」

きっと信太なりの告白だったんだと思う。

でもね?

信太は凄くモテたの。

付き合う前から知っていたけど、予想以上だった。

あたしはね?

弱虫だった。

だから……。

「女の子と余り話さないで」

「ちゃんとらあたしだけを見て」

なんて、可愛いコトは言えなかった。

話せなかったの。

昼休みは、いっつも告白だったし。

放課後はバスケ。

ヤキモチばっかりだった。

嫉妬でグチャグチャだった。

辛かった。

でも、言葉にはできなかった。

きっと…嫌われたくなかったのかもしれない。

…だからね?

別れたの。


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