Candy of Magic !! 【完】
Epilogue !!

世界のはじまり




『こんな世界ってどうかな』

『どれどれ?……いいんじゃない?多種多様だし、でもある生き物だけが頂点に立つのって案外いいかもね』

『どうせだから、僕たちに似た生き物にしたいな』

『似た生き物って……何にでもなれるのに?』

『二本足で立って、賢くて、言葉を使えて、感情豊かな生き物さ』

『つまり、今の姿ってこと?』

『そう。でも、翼はいらないかもね。邪魔そうだし』

『それは君が決めればいいことじゃないかな。君の世界なんだから』

『そうだね。でも、この世界を創ったら君はいなくなってしまうよ』

『遠慮しなくていいよ、私は平気だから。世界の土台になれるって素敵なことだと思うな』

『でも、君は……』

『大丈夫。君はひとりじゃない。君が造った世界にたくさんの住民がいるじゃないか』

『でも……でもね、全てが上手く出来上がるとは限らないんだよ?本当は、もう世界なんて創りたくないんだ』

『じゃあなんでそういう世界を創りたいのさ?矛盾してない?』

『なんかね、今度のは上手くいくような気がするんだ。ただの勘だけど』

『それなら、私がその勘を確信へと導いてあげよう。さあ、私をその素敵な世界にしてよ』

『今から?急じゃない?』

『すぐにやらないと成功率下がっちゃうよ?それに、私は明日には気分が変わっちゃうからさ、早く早く!』

『そうだったね……君は気分やさんだもんね。君はいつも変わってしまうから』

『明日はすぐにやってくる。だから、ね。お願いだよー』

『……わかった。君を生け贄に世界を創ろう』

『世界を創るには、神の生け贄が必要……私は君でもあるんだよね。私は元は君の髪の毛一本だったのに、こんなに良くしてもらえて凄い満足だったよ!ありがとう』

『どういたしまして。僕の友達』

『さよなら、私の友達』




────やがて、その世界は創造された。






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