悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~
「そして、こちらが
同じく今日から、
当学院に転入される
朱鷺宮涼夜(ときのみや すずや)君。
朱鷺宮君とも、
同じクラスになります。
当学院は中等部・高等部の一貫教育。
お二人は、
外部転入生としての紹介として先に教室で
自己紹介を終えた後、
共に入学式へと参列していただきます。
さてっ、付き添い頂いた保護者の皆さまは
ここまで。
徳力君、朱鷺宮君ともに
担任の先生が迎えに来るまで
隣の部屋で待っててください」
隣室に入るように促されると、
指示に従い、
その部屋へと入る。
会話のない重苦しい
沈黙が部屋に広がる。
この時の俺には、
この朱鷺宮との出会いもまた、
運命の歯車によって、
引き合わされた出来事だったことすら
知らないまま、
新しい生活に胸をはやらせていた。