悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~
蒼龍は生駒家の御神体。
御神体である蒼龍が一仕事終えた後の涼夜の元に近づいて、
飛翔はすかさずバイタル確認をしているみたいだった。
「蒼龍の加護が時宮(ときみや)様を
お守りしています。
ですが長くは持ちません。
時宮さまが自ら望んで、
再びお目覚めになることを望むまで」
そう言って、
柊と呼ばれた客人は静かに告げた。
自らの意思で、
意識を閉じ込めることを選んだ涼夜。
アイツに俺は何が出来る?
一瞬のうちに、闇を退けたその力を操る生駒の本神子。
あの頃からの力の差は今も縮まることはない。
徳力と生駒の力量の差。
俺はまだ自分の意思で、
神体を降ろすことが出来ない。
悔しさにも似た思いが俺を包み込んでいた。