悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~
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マンションの屋上ヘリポートから
車に乗り換えて辿り着いた鷹宮総合病院。
俺が顔を出した途端に、
次々と俺の顔を見て声をかけてくる人たち。
「神威君。
早城先生、最上階にいるわよ」
そうやって居場所を教えてくれたのは、
鷹宮のベテラン看護師。
ボスの貫録が漂う水谷さん。
「有難うございます」
「そこのエレベーター、
使うといいわよ」
そう言うと関係者専用エレベーターを
使えるように、鍵を差し込んでくれる。
水谷さんの好意に甘えるような形で、
辿り着いた最上階。
そこには笑い声が木霊していた。
その笑い声
聞こえる方へとゆっくりと向かう。
「先生、神威君来てくれましたよ」
真っ先に俺の存在に気が付いて、
声をかけたのは、李玖さん。
「終わったか」
病室へ踏み込んだ俺に
投げかけられた一言。
「ただいま」
「あぁ」
俺が求め続けた暖かい居場所が
そこに漂っていた。
この暖かな場所で俺は俺が出来ることを
手探りしながら歩き続ける。