悠久幻夢嵐(2)-朱鷺の章-Stay in the Rain~流れゆく日々~
エピローグ
アイツの母校に通って
俺は……仲間を見つけた。
お互いに信頼し合っているのに
決して相容れることのないアイツを……。
そして当主でも生神でもなく
本当の俺自身と向き合おうとしてくれる
そんな奴らを。
大人の顔色を見ることに慣れてしまった
俺たちが、ありのままに立ち返れる時間。
そんな時間が、
その場所には優しく流れていた。
「涼夜、早くしろ。
遅刻するだろうが」
「君は登校しても
屋上で寝ているだけだろう」
「うっせぇー。
サボるのに最適だって
あの場所を俺に教えたのはアイツだよ。
文句なら飛翔に言え」
「ご当主、涼夜さま。
エントランス前で
久松が待機しています」
「あぁ、陸奥。
今行くよ。
朝から小うるさいコイツを
黙らせてからな」
そんな俺たちを
送り出すのは後見たち。