「 」で出来てく物語
【傷だらけのつながり 未来】
美弥「いったあー……!」
春太「……何してんだ」
美弥「あ、はるるん! どうもこんにちは」
春太「挨拶はいいからその脚の血を拭け……!」
美弥「あ、本当だ! 血が出てる!」
春太「うちの高校の廊下滑りにくいのに……なんで転ぶんだ」
美弥「ねー、不思議だよねえ」
春太「だいたい美弥とは違う高校に行くつもりだったのに……中学が一緒なのは学区的にしょうがないことだったから」
美弥「えっ、そうなの!? ひどいよお……!」
春太「昔から言ってただろうが、初知りみたいな顔すんな!」
美弥「だってみゃーが中学校のセンセーに、「はるるんと同じ高校行きたいんですよー」って言ったら、ここを紹介された」
春太「友達に行きつけの美容院紹介してもらった的なニュアンスで話すな」
美弥「そっかー、はるるんはみゃーと一緒はいやなのかー」
春太「嫌っていうか……ほら、そばにいると、ほっとけなくなるじゃんか……お前」
美弥「えっ……口説いてる?」
春太「ちげーよ! 危なっかしいって意味だよ! 昔からケガばっかして、今だって!」
美弥「否定はしません」
春太「仮に否定されたら頭かち割るわ……」
美弥「あ、血止まったみたい! やった、走れる!」
春太「走らなくていいよ、また転ぶから」
美弥「転ばないよお……おっとっと!」
春太「あぁ、もう! 従兄弟を変えて欲しい!」
美弥「みゃーはずっとはるるんと従兄弟で居たいよお!」
春太「……居たくなくても、ずっと従兄弟なの。はぁ、もうケガすんなよ」
美弥「はいはい! ありがとうはるるん!」