「 」で出来てく物語
【クリスマス2】
桜子「…………」
春太「……うわ、まじで来た」
桜子「ちょっとどういうことよ! なんで真白の家にあんたがいるのよ!」
春太「いちゃ悪いかよ! だってクリスマスだぞ!」
桜子「気持ちわる! て、ていうか……真白が用事あるからちょっと来てって……メール……」
春太「俺が真白のスマホ使ってメールした」
桜子「はぁぁあ!? 意味分かんないんだけど!」
春太「だって俺が呼んだら来ないだろ」
桜子「馬鹿じゃないの!? 来ないわよ!!」
春太「胸張って言うなよ! 張る胸もないくせに!」
桜子「うざあ!! クリスマスに女子呼んどいて言うことはそれなの!?」
春太「甘い言葉でも囁けと!?」
桜子「あんたに甘い言葉囁かれるくらいなら、家で甘いシュークリーム眺めてる方が何倍もマシよ!」
春太「シュークリーム以下か俺」
桜子「はぁ……帰る」
春太「待てよお、せっかく来たんだし。お茶でも飲んでけよ」
桜子「あんたどういうポジションなのよ……ここ真白の家でしょう」
春太「ケーキもあるぞ」
桜子「クリスマスに男2人でちゃっかりケーキ買ってんじゃないわよ」
春太「男2人でケーキ選んでる様子をケーキ屋のお姉さんはニヤニヤしながら見てた」
桜子「ある意味お姉さんをお腹いっぱいにさせたのね。ていうか……真白は?」
春太「なんか、寝ちゃった」
桜子「そうね。春太とクリスマス過ごすくらいなら夢の中で過ごす方がどれほど幸せか……」
春太「呼んどいてあれだけど、そろそろ失礼にも程がある」
桜子「じゃあ帰るわよ!」
春太「送ろうか」
桜子「いらないわよ、すぐそこだし」
春太「……あそ」
桜子「大晦日とかもこのパターンだったらぶっ飛ばすから」
春太「もうしねぇよ」
桜子「……じゃ。真白に風邪ひかせないでよ」
春太「……ま、待て」
桜子「なによ」
春太「これやるわ」
桜子「……虫とかだったら怒るわよ」
春太「誰もクリスマスにんなもんやらねーよ」
桜子「……じゃあ、はい」
春太「ん……」
桜子「……ん? これ……」
春太「…………」
桜子「あぁ!!! これ!! 駅前の!! ゾンビうさぎの!! シークレット!?」
春太「うるせぇな! 真白寝てんだから静かにしろっての!」
桜子「キャー!!! うっそ! まじで!! なんであんたみたいなのが持ってんのよお!!」
春太「俺みたいなので悪かったな」
桜子「なんでよー! えー! なんでーっ!」
春太「前に駅前通った時に欲しいって言ってただろ、お前」
桜子「う、うん! えっ、あたしこれ……もらっていいの!?」
春太「別に、俺いらないし」
桜子「(……じゃあなんであんたが持ってんのよ)」
春太「満足したならとっとと帰れ」
桜子「春太!!」
春太「な、なんだよ……!」
桜子「ありがとうね!」
春太「……お、おー」
桜子「じゃ、おやすみ」
春太「うん」
真白「桜子帰ったの?」
春太「うわ、起きてたのかよお前」
真白「喜んでた? 変なうさぎ」
春太「は?」
真白「あのガチャガチャのうさぎ……桜子にあげるためにやってたんでしょ?」
春太「な……! な、なんでそんなこと知ってんだよお前!」
真白「あはは、俺も七世も、知ってたから付き合ってあげたんでしょう。あのシークレット出るまで」
春太「……っ。寝る」
真白「……もっと素直になればいいのに」
春太「……うぜー」