「 」で出来てく物語
【モテ期】
真白「暇だね」
春太「暇だな」
真白「七世は寝てるしなー。授業中も休み時間も寝てて、家でも寝てるのかな」
春太「成長期だろ。チビだし。ほっといてやれよ」
真白「それ七世が起きてるときに言ったら絶対怒られるよ。それにチビって言っても俺らの中ではの話でしょ。周りから見れば普通だし」
春太「バカ野郎。それ以外にコイツのけなすところが見つからねぇんだよ」
真白「なんだひがみか……」
春太「それにしてもこの夏休み明けから秋にかけての季節って、何にもやることねぇよな。ただ勉強のために学校来てるって感じ」
真白「本来そうなんだよ。今までなんのために学校来てたの?」
春太「遊びに」
真白「……親に殴られろ」
春太「そろそろ恋愛でもしようかな」
真白「それいつも言ってるじゃん。なのにいつまでたってもフリーのまま」
春太「うるせーなー。モテ期がよお、まだ来ないんだよ。いつでも受け入れる準備はできてんのに……いつまで経ってもモテ期が来ないんだ」
真白「モテ期って人生のうち3回あるんだっけ? だったらそろそろ1回目が来てもいいよね」
春太「そうなんだよ! 七世は年中モテ期なのに! 寝てるのに! なんで!」
真白「春太の分もモテ期持ってかれてんじゃない?」
春太「あ、それありえる。どおりでおかしいと思ったんだよ。なんで、こんなすましてる奴がキャーキャー言われてるのか」
真白「まぁ、なんとなく分かるけどね。いつもはツンツンしてるくせに、こんな無防備な寝顔見せちゃうと」
春太「なんだ……お前らデキてんのか」
真白「違うよ! 女子目線で見たらの話!!」
春太「俺が女子だったら絶対俺を選ぶね!」
真白「俺が女だったら……口先ばかりで弱虫で経済力も無さそうですぐにいろんな女の子にうつつを抜かす男と共に生きるリスクを背負ってまで、春太を選ぶ勇気はないなあ」
春太「……ちょっと泣いてくるわ」