「 」で出来てく物語
【準備3】
女子生徒「ま……間宮くん!」
春太「!?」
女子生徒「ちょっと……いいです、か?」
七世「……行ってくる」
春太「ナチュラルに準備抜けるなよ! ズルイ!! ムカつく!!」
真白「あの子が気まずくなるから春太静かにしてなよ」
春太「くそ……」
七世「すぐ戻るよ」
春太「とか言って、あの子を食べてから帰ってくるんだよ。なんてハレンチな……」
真白「そういう想像をする春太のほうがハレンチだと思うけど」
春太「そうだよ、忘れてた。こういう行事ごとが近づくと、変にテンション上がっちゃって告白するやつとか、付き合い出す奴らとかめっちゃ増えるんだよお」
真白「……そういえば、俺も初めて告白されたのは文化祭の時だったなあ」
春太「はぁ? お前が? 告白? 聞いてない!」
真白「中学校の時の話だよ。春太が知るはずないでしょ」
春太「で、その子は? どうしたの? ヤった?」
真白「またそういう………付き合ったけど、高校が別々になったから自然に連絡取らなくなったよ」
春太「うっわ、羨ましい……そういうエピソードがあるだけでも羨ましい」
真白「春太は? 中身は最悪でも見た目はそれなりなんだから彼女くらい居たでしょ」
春太「さりげに毒吐くなよ……」
真白「で、居たの?」
春太「……そりゃあ居たけどさー、長く続いたので1週間かな」
真白「短っ。振ったの?」
春太「振られたの! だいたい分かること聞くなよ」
真白「え、ごめん。なんで振られたの? すぐ手出すから?」
春太「ズバズバ来るな……お前。手を出す以前にチャラいからってことごとく振られた」
真白「うっわ、思ってたとおりだ」
春太「じゃあ聞くなよ!」
真白「だって絶対彼女の前とかでも他の女の子の話するでしょ」
春太「だって可愛いんだもん……彼女が可愛いから他の子が可愛くないかって聞かれたらどうするんだよ。可愛いだろお! 彼女が出来たらその子以外の世の中の女が皆ブスになるわけねぇだろお!」
真白「……まぁ、そりゃそうだけど。なんていうか……デリカシーがないんだよ、春太は」
春太「もうなんとでも言ってくれ……つーか、なにが悲しくて夜遅い放課後の教室でお前と恋バナしてんだよ……」
真白「始めたのは春太でしょ」
春太「あぁ、俺はもう最低の人間なんだ……誰か聖水と杭。もしくはニンニク持ってきて。生涯を閉じるから」
真白「ドラキュラか」
春太「ううー……彼女が欲しいだけなのに」
真白「……近くにいると思うけどね。春太のそういう悪いところも、説教してくれて。それでも絶対見離さないでそばにいてくれる子」
春太「あ? ……誰だよ」
真白「いつまでも知らないふりしてると誰かに取られるよ」
春太「ゴキブリホイホイにかかる女なんてこっちから願い下げだっての」
真白「もう~、すぐ意地張るんだから」