「 」で出来てく物語
【恋愛相談】
雅「蓮! 一緒に飯食おうぜ!」
鈴木「許諾しかねる」
雅「きょ……きょだ、きゃだく? 誰か英語の通訳呼んで!」
鈴木「日本語」
雅「あぁ、あれだろ? ウェルカム的な意味だろ」
鈴木「全然違う」
雅「あ、おいどこ行くんだよ!」
鈴木「トイレ。さすがにトイレまでついてきたら本気で嫌うから」
雅「う……」
春太「おい、バカ! 目を合わせるな!」
真白「で、でも……ひぇ~! こっち見てる! 捨てられた子犬みたいな目ですごくこっち見てる!!」
七世「弁当で顔隠せ」
春太「うぉー……! 歩いてきた! 弁当の隙間からめっちゃこっちに向かって歩いてきた!」
雅「なぁ、俺のどこがダメなんだと思う?」
七世「ほぼ初コンタクトなのにすっげー馴れ馴れしく恋愛相談してきた」
真白「えぇっと~……右佐喜くん? だよね?」
雅「雅でいーよ。君らなんかよく蓮とつるんでる人達だろ?」
七世「つるんでるっつーか、絡まれてるっつーか」
雅「君は知ってる。この前蓮が言ってた中原って人」
真白「あ、うん。真白で大丈夫」
雅「真白ね。じゃあこっちはあれだ。モテるって噂の間宮 七世」
七世「……はぁ、まぁ」
雅「君は…………佐藤」
春太「分かんねーからって、なんとなく当たればいいやと思って多い苗字で呼んだだろ」
雅「ぶっちゃけ蓮以外の人の名前はどうでもいいんだ」
真白「重症だ……この人」
雅「誰かこの迷える子羊を助けてくれよ!!」
春太「本当にヤンキー? この人ヤンキー? あの喧嘩し放題で退学寸前の? そういうのって、もっと一匹狼的な、クールで気取ってる感じじゃないの?」
真白「例外も居るんだよ、きっと」
雅「ぶっちゃけ喧嘩だって好きでしてるわけじゃないんだ。蓮にも嫌がられるから出来ればしたくないのに……」
春太「じゃあ、しなきゃよくね?」
雅「喧嘩は好きじゃないけど、ムカつく相手をボッコボコに殴り倒すのはいい気分だからなあ……それはちょっと」
春太「アホなだけで根はヤンキー魂持ってるわこの人」
雅「とりあえず蓮と結婚できる方法を一緒に考えてはくれないか」
真白「それ以前にいろいろ問題があることを誰かに教えてもらった方が……」
雅「大丈夫だ。俺にも蓮にも欠点がないところが欠点だということは重々承知している」
春太「ポジティブ過ぎてなんかもう……」