「 」で出来てく物語
【美術】
春太「なんか今パッと真白の顔が浮かんだ……」
七世「なんかの信号送ってるんじゃない?」
春太「SOSとか? ……んなわけ無いだろー、どうせ音楽聞きながら寝てんだよ。いいなあ音楽」
桜子「ひとつ聞くけど、各班画材取りに来てって言われて、この重い画材をたった一人で女子に取りに行かせるってどういうこと」
七世「よく頑張った。桜子なら出来ると思ってたよ」
春太「よっ! 力持ち! 横綱!」
桜子「はい、羽交い締め~」
春太「がっ……!! ギ、ギブ……! ヘルプ! 七世ヘルプ!」
七世「世の中には見て見ぬふりをするのが正義だということもある」
春太「この場合それは正義じゃない……!!」
桜子「自分にとっての悪を滅ぼす。それが正義よ」
春太「……~ッ! っはぁ……はぁ。やっと息ができた……」
七世「大丈夫か春太。心配したぞ」
春太「嘘つけよ。つか嘘つくならせめて俺の目を見て心配してる素振りくらいしろよ。伏せながらそんなこと言われても、あざとすぎんだろ」
七世「元はといえば桜子を怒らせる春太が悪いんだよ」
桜子「七世の言う通り」
春太「ちぇ……桜子って七世には若干甘いよな」
桜子「だって七世はあたしを怒らせないもの」
七世「たまに理不尽にキレられるけどな」
春太「そういえばお前らって中学から一緒だよな、確か。北中」
桜子「まぁ、そうね」
七世「中学から高校、5年間ずっと同じクラス」
春太「うわぁ……軽く地獄」
桜子「次は卍固めかしら」
春太「なんも言ってないっす」