「 」で出来てく物語
【書道】
白雪「わぁ、鈴木さんそれなんて書いてるの?」
鈴木「螳螂(カマキリ)」
白雪「そんな難しい漢字書けるなんてすごいねぇ」
湯浅「……全然すごくないし、今日書くべき課題は"積雪"だろう。勝手に変えるな」
鈴木「えー、じゃあ蜘蛛(クモ)にするー」
湯浅「それでいいだろみたいな顔をしているが、根本的な問題が解決していない」
白雪「本当に虫が好きなのね、蜘蛛とか書けるんだ。他にも書けるの?」
鈴木「うーん。蜻蛉(トンボ)とか、鳳蝶(アゲハチョウ)とか、螽斯(キリギリス)とか」
白雪「すごーい! 虫博士だね」
鈴木「あ……でもムカデは書けない」
湯浅「……なんでだよ、百足(ムカデ)だろ。一番簡単じゃないか」
鈴木「あーうるさい。桐生くんうるさいよお。耳が外れるよお」
湯浅「遊んでないで授業を真面目にやれと言ってるんだ! それとそんな簡単に耳も外れない!」
白雪「まぁ、まぁ湯浅くん。鈴木さん他の授業もだいたいこんな感じだから」
湯浅「……保育園も小学校も中学校もだいたいこんな有り様だ」
白雪「へぇ、幼なじみなんだ! 仲良しだね」
鈴木「仲良しだよー。中学まで一緒にお風呂入ってたもんねー」
白雪「……えっ」
周り「「「「……(ざわざわ)」」」」
湯浅「どうしてそういうことを恥ずかしげもなく言うんだ……!!」
鈴木「だって恥ずかしくないもん」
湯浅「……っ!」
白雪「お、落ちついて……ね。私何も聞いてないから……湯浅くん」
湯浅「変な気を使わなくて大丈夫だ……なんか、もう慣れた」
鈴木「なんなら今でも一緒にお風呂入れる」
湯浅「もういい分かったから黙ってくれお願いします……」
白雪「湯浅くんも大変だね……」
湯浅「これ(蓮)プラスもれなくもう一人、不良馬鹿が付いてくるからな……」
白雪「お気持ち……お察しします……」
鈴木「いえいえどういたしまして」