「 」で出来てく物語
【せんべい】
鈴木「鹿が……、鹿がわたしに迫る……!」
湯浅「そんなにたくさん鹿せんべい買うからだよ。ていうか1組集合写真撮りに行ったけどなんでここにいるんだ君は」
鈴木「食われる前に食す」
湯浅「あっ、鹿せんべいを食うな……! お腹壊したらどうするんだ!」
鈴木「桐生くんも食べたいの? どうぞ」
湯浅「俺は食べないけど……」
鈴木「う~、めっちゃ押される~、なんか怒ってる~」
湯浅「それ食べてるからだろう」
鈴木「はい、桐生くん写真撮って写真」
湯浅「ここで写真撮る前に自分のクラスの集合写真を撮りにいけ」
鈴木「早く早く、おじいちゃんの仏壇に飾るから」
湯浅「……君のおじいさん、まだ元気だろう。先週スポーツジムから出てきたの見たぞ」
鈴木「はいチーズ」
湯浅「…………」
鈴木「撮れた?」
湯浅「まぁ……だから早く自分のクラスにだな……」
七世「あ、いた」
鈴木「あら……こんにちは」
湯浅「ま、間宮くん」
鈴木「走ってきて一体どうしたんだい」
七世「……お前を探しに来たの。集合写真撮れなくて皆困ってんだから」
湯浅「そら見ろ。だからあれだけ早く行けと……」
鈴木「えぇ、まだせんべい残ってるよお。鹿がわたしを手放してくれない」
七世「んなもんそこらへんにばらまけ」
鈴木「もったいないよお、まだ食べれるよお」
七世「自分で食ってたのかよ……じゃあ、あれだ。会長にパス」
湯浅「えっ」
鈴木「美味しくいただいてね、桐生くん」
湯浅「えっ」
七世「あとそれ先生たちのカメラだろ。担任困ってたぞ」
鈴木「だって自分のカメラ間違えてキャリーバッグに入れちゃったんだもん」
七世「後でホテル行ったら忘れないようにリュックに入れとけよ」
鈴木「はーい」
湯浅「えっ……ちょっ……鹿が……」
鈴木「ばいばーい桐生くん」
湯浅「鹿っ……う、うわ! 鹿が……!!」