「 」で出来てく物語
【露天風呂】
春太「女風呂いいなぁー」
真白「まだ言ってる」
七世「そのまま頭の上に手を乗せて思い切り底まで沈めてやりなよ、真白」
真白「まだ17歳なのに人は殺せないよお……!!」
春太「俺だってまだ17歳なのに殺されたくないわ」
七世「初めて意見が合致して良かったね」
春太「つーか、七世。改めてさっきから思ってたけどお前ほっそ、まじほっそ。ガリガリじゃん」
七世「そこまでじゃないし、並だし」
春太「並ってのは真白くらいを言うんだよ。ちょ、腕あげてみ」
真白「た、たしかに……」
春太「ちゃんと食ってんの」
七世「普通に。たまに1日何も食わない日があるくらい」
春太「は? ねぇよそんな日!」
真白「うーん……筋肉があんまりないのかな」
七世「運動とか嫌いだし」
春太「この軟弱モノめ、そんな奴に白雪は任せられん」
七世「……まぁ、筋肉はつくように頑張るよ……なんとなく」
春太「絶対この人やる気ない」
真白「七世が爽やかな笑顔を振りまきながら汗かいて、一生懸命運動してるところなんて見たことないもん」
七世「失礼だな、汗くらいかいたことあるわ」
春太「なぜかこんなヒョロヒョロキザ野郎がモテるのに……俺ときたら……」
真白「春太はね、見た目じゃないんだよ。中身だよ。腐った卵みたいな。見た目は普通に綺麗なのに、割ってみたらすっげー最悪みたいな」
春太「例えが鬼畜だ。もっとオブラートに包んで欲しかった」
七世「あぁ、あれね。ファミレスのメニューとかね。メニューで見たらすごい美味しそうなのに、実際運ばれてくるとしょぼかった的な」
春太「全然包まれてねぇよ。胸に言葉のナイフがザクザク突き刺さってる」
七世「あー、のぼせそう……あがる」
春太「……なんかムカつく」
七世「何がだよ」
春太「髪が濡れて首筋に水滴が滴ってるだけで、イケメン度がすごい増してる感じ。ムカつく、ずるい」
七世「……意味わかんね」
春太「モテ男に俺の辛さは分かんねーだろうよ。さっさと身体洗ってきなさいよ」
真白「お母さんか」
春太「ちゃんと上がる前にお風呂入って100数えるのよ」
真白「だからお母さんか」