「 」で出来てく物語
【自主見学】
真白「あれぇ……ねぇ、この地図どっちが上?」
春太「バカやろう、そんなもんおひさまがあるのが上で草が生えてるのが下だ」
桜子「バカはあんたよ、地図におひさまと草があるわけないでしょうが。貸してみなさい」
白雪「うーん……ここ、さっきも通らなかった?」
春太「勘弁してくれよ、せっかくの自主見なのに迷子って……」
桜子「元はといえば誰のせいよ!」
真白「えっと……まず、鈴木がハトを追いかけ始めて……」
鈴木「おいしそうな北京ダックだったもので、つい」
七世「ハトは北京ダックにはならないんだよ。覚えとけ」
真白「次に、七世が近くにあったコンビニでお茶買って……」
七世「桜子に無理矢理アイスも買わされたけどね」
桜子「おいしかったわ」
真白「コンビニ出たら、どこにいるのか分からなくなったから、桜子が地図開こうとしたら地図が風に飛ばされて……みんなでそれを追いかけて……」
桜子「こんな風の強い日にあんなデカイ紙開いてたらそりゃ飛ぶわ」
春太「ちゃんと掴んでれば飛ばねぇよ普通」
真白「地図捕まえたと思ったら、急に春太が道路の向こう側にめっちゃ可愛い子が居たって騒いで……」
春太「思わず追いかけてみたものの、声をかけることもできず見失い……」
鈴木「今に至る」
桜子「白雪以外全員が原因じゃないのよ!」
春太「大声出してるけどお前も悪いんだからな!」
桜子「そうよ! わたしも悪いのよ! 悪かったわね!」
春太「開き直ってんじゃねぇよ! あぁ、もう! どっかで休もうぜ! ほぼ朝から歩きっぱだよ」
鈴木「じゃあ、あのおっきい建物のとこ行こう」
七世「おっきいからって、観覧車とかないからな」
鈴木「じゃああれ何?」
七世「なにって……」
真白「ん?」
春太「あ? あれ駅じゃね?」
桜子「……駅ね」
七世「俺たちどこ行こうとずっと迷ってたんだっけ」
白雪「とりあえず……え、駅に行こうって話を……してた」
七世「鈴木、あそこにある駅みたいなもん、いつから見えてた?」
鈴木「ここら辺にいる間ずっと見えてたよ。おっきいもん」
春太「もっと早く言えよお! ずっと俺らの後ろにあったんですやん!!」
真白「に、日本語……」
桜子「もうお昼なのに……自主見半分終わった……」